背景を透過する方法


文章や資料を作成するとき,画像や写真などを利用することが多い。 ある背景に人物や動物を配置したりすることがある。 そのときに,人物や動物の周囲に白色などの背景があって, うまく重ね合わせることができないときがある。
そのようなときに,周囲の背景を透過すれば,人物や動物だけをそこに重ね合わせることができる。 その透過する方法について,いくつか紹介しよう。

  • フォトを利用する方法
  • ペイントを利用する方法
  • ペイント3Dを利用する方法
  • Word や Excel などを利用する方法

  • その説明の前に, 画像ファイル形式について簡単に説明する。
    ファイル形式によって,背景を透過できたりできなかったりするので, その点を確認しておこう。
    1. ビットマップ(bmp)
      Windowsで標準的な画像ファイル形式。画面上の画像表現データをそのままに近い形式で保存。非圧縮が基本で,小さな画像の高速な読み書きに適している。

    2. ジェイペグ(jpg,jpeg)
      見た目に影響しない情報を取り除く方法で非可逆圧縮した形式。写真などに適している。デジタルカメラの保存形式としても多く利用される。

    3. ジフ(gif)
      色や白黒階調の種類を最高256通りで表現し,同じ色やパターンが続いている部分を可逆圧縮した形式。使用されている色の種類が少ない幾何学模様などに適している。

    4. ピング(png)
      ネットワークに適した形式として,GIFを発展させて多様な機能をもつよう開発された可逆圧縮形式。色の種類が多い幾何学模様などに適している。

    サンプル画像
    (1) BMP画像


    (2) JPG画像



    (3) GIF画像



    (4) PNG画像



    上記の4つのファイル形式のうち,背景を透過できるファイル形式は, GIFファイルとPNGファイルで,BMPファイルとJPEGファイルは背景を透過することはできない。


    次の2つの画像1,2の背景を透過してみよう。
    今回は,PNG形式で保存することにする。

    画像1
    画像2


    ◆フォトを利用する方法


    画像1について

    1. 指定の画像をフォトで開く。
    2. 「編集」にしてメニューバーの「 背景」をクリックして,背景の「削除」を選択する。
    3. 「背景ブラシツール」を「ON」にする。
    4. ブラシのサイズを,適当に調整して,標柱を消す。
    5. メニューバーの「 消去」をクリックすると,背景を消去できる。

    [A] (2) の状態で保存した画像
    [B] (5) の状態で保存した画像
    ファイルを保存するとき,PNG形式を選択して名前を付けて保存する。

    (1)

    (2)

    (3)

    (4)


    (5)


    [A]

    黒い部分が透過
    [B]

    黒い部分が透過

    画像2について

    1. 指定の画像をフォトで開く。
    2. 「編集」にしてメニューバーの「 背景」をクリックして,背景の「削除」を選択する。
    3. メニューバーの「 消去」をクリックすると,背景を消去できる。
    ファイルを保存するとき,PNG形式を選択して名前を付けて保存する。

    [C] (3) の状態で保存した画像

    黒い部分が透過


    ◆ペイントを利用する方法


    画像1について

    1. 指定の画像をペイントで開く。
    2. メニューバーの「 背景の消去」をクリックする。
    3. メニューバーの「 レイヤー」をクリックし, 右側のメニューの「 背景」の 部分をクリックして, 背景を非表示にする。
    4. 消しゴムで消すか,範囲を選択して削除するかをして標柱を消す。

    [A] (3) の状態で保存した画像
    [B] (4) の状態で保存した画像
    ファイルを保存するとき,PNG形式を選択して名前を付けて保存する。

    (1)


    (2)


    (3)


    (4)


    [A]

    黒い部分が透過
    [B]

    黒い部分が透過

    画像2について

    1. 指定の画像をペイントで開く。
    2. メニューバーの「 背景の消去」をクリックする。
    3. メニューバーの「 レイヤー」をクリックし, 右側のメニューの「 背景」の 部分をクリックして, 背景を非表示にする。
    4. さらに消したい部分があるときは,消しゴムで消すか範囲を選択して削除するかをして消す。

    [C] (3) の状態で保存した画像
    [D] (4) の状態で保存した画像
    ファイルを保存するとき,PNG形式を選択して名前を付けて保存する。

    [C]

    黒い部分が透過
    [D]

    黒い部分が透過


    ◆ペイント3Dを利用する方法


    画像1について

    1. 指定の画像をペイント3Dで開き,メニューバーの「 マジック選択」をクリックする。
    2. 角または辺をドラッグして切り抜きたい領域を選択できたら,右側のメニューで「次へ」。
    3. 背景が消去される。
    4. 不足している領域があれば「追加」を選択して,その領域をマークして追加する。
      多すぎる領域があれば「削除」を選択して,必要がない領域をマークして切り抜く。
    5. 切り抜き部分が完成したら「完了」をクリックする。
    6. メニューバーの「 キャンパス」をクリックする・
    7. 右側のメニューから「透明なキャンパス」を「オン」にし,「キャンパスを表示する」を「オフ」にする。
    8. 最後に,名前を付けて,PNG形式でファイルを保存する。

    [A] (8) で保存した画像

    (1)


    (2)


    (3)


    (4)


    (5)


    (6)


    (7)


    (8)


    [A]

    黒い部分が透過

    画像2について

    1. 指定の画像をペイント3Dで開き,メニューバーの「 マジック選択」をクリックする。
    2. 右側のメニューで「次へ」をクリックする。
    3. 追加・削除したい部分があるとき,「追加」「削除」を選択して修正する。
    4. 「完了」をクリックすると,背景が消去された画像ができる。
    5. メニューバーの「 キャンパス」をクリックする・
    6. 右側のメニューから「透明なキャンパス」を「オン」にし,「キャンパスを表示する」を「オフ」にする。
    7. 最後に,名前を付けて,PNG形式でファイルを保存する。

    [C] (2) の状態で保存した画像
    [D] (3) の状態で保存した画像

    (2)


    (6)

    (2)のあと追加・削除せず

    (3)

    (2)のあと追加

    [C]

    黒い部分が透過
    [D]

    黒い部分が透過


    ◆Word や Excel などを利用する方法


    画像1について

    1. Wordを起動して,白紙の文書を新規で作成する。
      「挿入」-「画像」から,画像を指定して開く。
    2. タブ「図の形式」から「背景の削除」をクリックする。
    3. 「削除する領域としてマーク」をクリックして,ペンで削除する領域をマークする。
      必要によって「保持する領域としてマーク」で残す領域をマークする。
    4. マークできたら,「✓ 変更を保持」をクリックするか,画像以外の部分をクリックするかすれば,背景が消去される。
    5. 画像を右クリックして,ショートカットメニューから「図として保存」をクリックし,PNG形式を選択して名前を付けて保存する。

    [A] (5) の状態で保存した画像

    (1)


    (2)


    (3)


    (4)


    (5)


    [A]

    黒い部分が透過

    画像2について

    1. Wordを起動して,白紙の文書を新規で作成する。
      「挿入」-「画像」から,画像を指定して開く。
      タブ「図の形式」から「背景の削除」をクリックする。
    2. 「保持する領域としてマーク」で残す領域をマークする。
    3. マークできたら,「✓ 変更を保持」をクリックして,背景を消去する。
    4. 画像を右クリックして,ショートカットメニューから「図として保存」をクリックし,PNG形式を選択して名前を付けて保存する。

    (1)


    (2)




    (2) のマークによって残る領域



    残す領域のマーク完了
    [C] (1) の状態で保存した画像

    黒い部分が透過
    [D] (4) で保存した画像

    黒い部分が透過


    以上のような方法で,背景を透過することができる。
    使用するソフトによって扱いは異なるが,基本的な操作は同じである。 扱いやすさは個人によるが,背景を透過したい画像によっても異なる。 自分が使いやすいものを1つ決めて使用して慣れることも必要だろう。